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Korg OASYS の衝撃

Post by
tomo
Time
2005-01-22 08:43:47+09:00
Category
Review

各国サイトにカウントダウンFlashを掲載して盛り上げたKORGの新製品は「OASYS」だった。

しかし、昔発表だけして結局発売されなかったOASYSとは名前だけ同じで中身は無関係の様子。 昔のOASYSはPCIカードになって海外で発売されていたのだが…。

それにしても、新製品の方のOASYS, KORG社の今後を左右しそうなとんでもない製品。 88鍵および76鍵モデルのみのワークステーション型で、USB2.0端子4つとかタッチビュー付10.4インチTFTカラー液晶画面とか、て肝心なシーケンサがなんとも中途半端な仕様。 日本製品にありがちなケースではある。

内蔵シーケンサのトラック数は16MIDIトラック+16オーディオ・トラック+1マスター・トラック。 これでは、外部音源を集中管理するにもメインのレコーダとして使用するにも力不足。 MIDIトラック分解能: 四分音符=1/192やオーディオ・トラック最大同時録音数: 4トラックもかなり見劣りがする。 ミュージック・ワークステーションとして本格的に使うということは、この規模の製品を購入可能な層にとっては既に使用中であろうプロシューマ向けのDAWホスト・アプリケーションから乗り換えるということを意味する。 しかし、ProToolsNuendoLogicから乗り換えて遜色ないものとは到底思えない。 仕様は見劣りするし、そもそもこのシーケンサのフォーマットが今後、機種を超えて末永くサポートされる様にも思えないから。

他のワークステーション型キーボードと同様、本機もシーケンサ部分はツアー中などにちょっと使ってみるお手軽なメモ用途に過ぎず、本格的な制作時には別途DAWをメインに据え本機は専ら鍵盤部と音源部のみ使用するのが妥当なのだろう。 それならば、10.4インチ液晶画面をつけているスペースをノートPCやASCIIキーボードの設置スペースにした方が良かった。 そして、本体にDAWホスト・アプリケーション用のフェーダーを搭載したら尚良かったし、オーディオI/Fを兼ねたら一層良かった。 各社から出ているDSPカードの様に、本機の音源部をDAWホスト・アプリケーションから見かけ上はプラグイン・ソフトウェアとして呼び出せるようにしたらすさまじく良かった事だろう。 さらに、鍵盤は別機に任せることにして削除してしまい、PCと併せて搬入出できるようにまとめればずっとずっと良かった事だろうに。 …ってOASYS PCIOTL

かつてのOASYS PCIと比較すると音源は面白みが減っている。 かつてはPhysical Modeling、Virtual Phase Modulationなど新機軸な音源方式が搭載され、連続的に音色変化するギターなど素晴らしいものがあったが、新製品の方はサンプルプレイバック音源+仮想アナログシンセに過ぎない。 波形は膨大なものになりリアルさは増したのだろうが、HDDストリーミングを併用するPC用サンプル・プレイヤーには到底及ばまい。 シーケンサ同様、PC上で出来ることを縮小規模で再現する路線は面白くない。 新製品はソフトウェアとして音源モデルも追加できるようなので、今後に期待。 PC上で出来ないこと、やりにくいこと、過剰供給気味でないことをやって欲しいもの。 つまり、サンプルプレイバックとアナログシンセシミュレーション以外の音源方式で独特のものを。

実際の出音をデモ曲で聴いてみた。 米国版サイトにある2曲のうち、ヴォーカル入りの「Love Embraces All」を聴いてみた。 中々良いブラス・セクション。 素晴らしい! これなら!? …と思ったのもつかのま、「Vocals and brass parts are audio tracks」だって。 orz

以上、別に酷評するつもりもなかったのだが褒める箇所が見当たらず辛口文章になってしまった。 ちょっとだけ良いことも言っておくと新製品の中身はLinuxマシンらしいという話が面白い。

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