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Serial Mom

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tomo
Time
2013-03-17 20:15:24+09:00
Category
Review

VHS版は出ていたシリアル・ママがDVDでは出ないものか…と思っていたら海外では出ており、輸入されている。

Serial Mom [DVD] [Import]

Title
Serial Mom [DVD] [Import]
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DVD
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下品かつ悪趣味な作風で知られるジョン・ウォーターズ監督の作品。 教育ママ的偏執が高じて連続殺人に及ぶ主人公を指すダブル・ミーニングなタイトルで、あたかも実話再現ドラマ風の演出を施されているが全くの作り話。

連続殺人を屈託のないコメディとして描く事自体がチャレンジングだが、目くるめく下衆さにも拘らずどこかほのぼのとしているのは根底に流れるテーマが家族愛、隣人愛だからか。 とにかく出てくる人物が誰もかれもどこかしら狂っている。 ヘア・スプレーの主演はやたらに惚れっぽくて追われる身なのにセクシーポーズを決めるし、恋人を殺されたトレーシー・ローズはその直後に刑事に色目を使うし、ジェンソン夫人は劇中で『こういう映画を観てると阿保になる』と酷評されている某ミュージカル映画を観ながら飼い犬に足を舐めさせるありさま。 全体に、「欠点だらけだけど愛すべき人たち」といった雰囲気で、ボルチモアが三丁目の夕日化。 逆説的に言えば、そういう牧歌的な古き良き時代の裏側にはこの位のどす黒さは潜んでいておかしくない、とも言える。 普通の人は皆どこかしら変なんだ、それを含めて愛しましょう…と言うのは簡単だけど、その変な範囲のバリエーションは思いの外広く深いものだよ、と。

各登場人物の異常性は最初あまり顔を出さず、主人公一家も登場時点ではあたかも模範的家庭の様。 何しろ母親が教育ママなのだから当然だが、模範的家庭の日常は朝食シーンから始まるっていう典型的なやりくちに笑う。 変な作風で評判の監督だが、こういうところがとっても手堅い。

一見模範的な家族でありながら、母親には裏の素顔が…という展開ならなかば必然的に「異常な登場人物と、それに振り回される正常な人達」と対立の構図で描かれるのがこういう題材のコメディの常道。 しかしそこがこの監督の偉いところで、振り回される人達も劣らず異常。 日本のギャグ漫画で言えば『まことちゃん』に近い感じか。 正常な人物を対比的に置くことなく全員が変人のギャグ、コメディを作劇できるのは本物の天才だけに許された妙技なのだろう。

後半の法廷劇は裁判官から証人からやっぱりどいつもこいつもポンコツだらけだが、陪審員制度の欠陥を論う類の映画の中では最も上出来なのではないか。 裏取引や陰謀を暴くタイプのそういう映画は数あるが、自由心証主義の根本的欠陥が素人参加でより拡大される点を率直に描き切るこの作風の方がダイレクトに問題点が伝わってくる。

音楽については、シンフォニック・スコアのパートがどれも仰々しく大真面目で、あたかも格式高い、お堅い映画向けの作りになっているが、勿論そういう演出全体がギャグ。 その一方で、アニーの『Tomorrow』の使われ方としてはオリジナル作品よりずっと爽快感があり理想的で夢があってステキ。

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