Death Note
- Author
- tomo
- Authorised Time
- 2006-06-18 16:26:54+09:00
- Category
- 調査批評
- Title
- DEATH NOTE デスノート ‐5th Anniversary Blu-ray Box‐
- Media
- Blu-ray
- Availability
- 在庫あり。
- Author
- Manufacture
- バップ
- Standard Price
- ¥ 9,450
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原作は言わずと知れたジャンプの人気漫画で、最近連載も終了した同名作品。 名前と死因を書くとその通りに死ぬノートを死神が落とし、それを手にした主人公が裁かれない犯罪者を代わりに裁くべく利用を開始するところから物語は始まります。 その不自然、怪奇な突然死大量発生は瞬く間に世界中から意図的な殺人として恐れられ、以降は警察その他組織と主人公との頭脳戦となっていく。
オカルト、恐怖系の題材を利用しつつ、犯罪者と探偵の対決ものとして物語が展開していくところが面白いが、それは原作の前半まで。 主人公とライバル的関係にある探偵「L」が中盤であっけなく命を獲られてしまって以降は、よくあるようにその身代わりとも思える二代目が登場し、「L」が犯人に肉薄し過ぎ、進み過ぎてしまった物語をちょいと巻き戻して今一度の謎探しとなってしまう。 また、かなり早期に探偵達は主人公が犯人だと鋭い勘と数々の状況証拠から断定してしまい、いわば主人公は物語を通して殆ど張子の虎という状況下、度々訪れる危機をいとも簡単に切り抜ける。 その切り抜ける理由がどれもこれも「既に計画に織込み済み」と、極めて明晰な頭脳のお陰ということで一貫しているため、殆どスリルがない。 「静かなるドン」の主人公がどんなピンチでも鋭い野生的洞察力と殺気で切り抜けてしまうのと似ている。
映画の方は前編と後編の2本立ての予定らしいが、その前編である今回公開分では、主人公「月」対「L」の構図をポスターでも強調し、物語上は二人がようやく出会うところまでで前編が終了していること、物語全体が、漫画で言うと単行本2巻程度までしか進んでいないことから、ひょっとしたら原作漫画での中盤以降の(「L」退場以降の)ダルい展開をギュっと圧縮して、この二人の構図のままラストまで持っていってくれるのかも知れません。
しかしこの映画、何だか観ていると、時々デビルマン臭が漂ってくる。 あの映画と違って、二人の美形主役男優はどちらも演技はまともだが、その周辺が変です。 主人公の家庭では母親がまるでサービス業で給仕をやってるかの様に笑顔を振りまきまくり、父親が帰宅するといっては家族総出で玄関にて出迎えるなど、凄く余所余所しく白々しい。 まるであの家族がケーキを焼いている時の様です。 また、街頭インタビューや留置場での急死者の演技がどれもいまどきあり得ないくらいの子役演技です。 大人なのに。 いまどき老人騙しの時代劇での切られ役だってあんな力み演技しないだろ。
演技付けにまつわるこの種の手抜き感は何なんでしょうと思ってたら、監督が平成ガメラ3部作の金子 修介だった。 怪獣映画の「逃げ惑う人々」演出なら、未だにあのレベルが普通なので、妙に納得できる。
美少女を演出すれば右に出る者はいないと一部特撮マニア間で評価される同監督だが、その感性は本作でも如何なく発揮されている様です。 その証拠に、主演陣でも女優は軒並み演技が下手です。 といっても昨今の月9などのドラマを観ている層にとってはおそらく普通なのだろうが、とにかくこの映画の若手女性は軒並み発声が悪い。 いわゆる深夜系アイドルなどにありがちの、肺活量の無いモコモコ声なのです。 今の戦隊で言ったらボウケンイエローみたいな感じ? 全部口元だけのささやき。 喜怒哀楽で声色がぜんぜん変わらない。 唯一の例外、瀬戸 朝香はまともに発声、発話していたが。
巧い役者の出ているシーンは良いが、そうでないシーン、カットは軒並み学芸会になっている。 良いシーンがほぼ皆無だったデビルなあの作品とは雲泥の差なんですが、良いシーンが良いだけに、そうでないシーンとの落差が激しく、観ていて落ち着かない。 この作品は原作からして漫画ならではの突飛な展開が多いので、演出、演技の部分で危ういと、たちまち失笑場面になってしまう。 事実、客席の失笑は多かった。
この物語では秀才犯罪者と天才探偵の化かし合いが肝だが、その化かし合いはコミックならではの突飛な表現が多い。 ハプニングに思えることが悉く想定内であるとか。 そこは映画でもどうにかガッカリせずに観れたのだが、原作でも解消できなかった根本的な問題、即ち、「超能力や霊感等による殺人は、たとえ証拠や自白が得られても罪に問えない」という点をどうするかに俄然興味が出てくる。 原作で言えば遠隔殺人と判った極く初期の段階、遅くともノートの存在が明らかになった中盤の段階で不可能犯だとハッキリしてしまい、以降、法的な裁きは全く期待できないことは警察関係、法曹界、探偵達にとっては周知の事実になってしまう。 ここで現実に引き戻されることなく登場人物が犯人逮捕に向けて邁進できたのは、漫画ならではの超人然としたキャラクター表現等によるものだろう。 これが映画でどうなるか。 失笑を招かず説得力を発揮できるのかは、後編で明らかになる筈です。 期待したい。
