Biotronique

Login

Article

Breakthrough

Post by
tomo
Time
2006-10-28 23:14:00+09:00
Category
Review
SNS buttons

ブレイクスルー 極秘機動部隊

Title
ブレイクスルー 極秘機動部隊
Media
DVD
Availability
no inventory
Author
ディーン・ケイン
Manufacture
ジェネオン エンタテインメント
Standard Price
¥ 4,935
Amazon Price
no inventory
Amazon Point
なし
Amazon Consultation
0
Biotronique Consultation
3

These data is given on 6-27 4:52.


米アルコール麻薬銃器取締局(ATF)と兵器密売を営む反政府民兵組織との戦いを描く。

先攻はしない方針のATFによる包囲に対し、それを見抜いてやはり先攻はしない方針の民兵組織『自由の兄弟』との膠着から開幕となる導入部は比較的リアル。 子供にも自由に銃器を持たせる非合法な緩い組織であるだけに統率も効かず、リーダーの息子が制止を振り切って武装し体制につこうとしたまま、銃を暴発させた事で銃撃戦が始まり、ATFはリーダーの身柄を確保する。 銃撃戦の原因を作ったその息子も母親共々死んだかに見えたが、それすらも政府サイドの責任だと責め立てるリーダーのマッチポンプさながらの無反省ぶりも別の意味でリアリティがある。

リーダーを失ったテロ組織がより知恵の回る新リーダーを立て、洗練された国際的テロ組織として世界の脅威となった2年後、かつて旧リーダーの身柄を確保したエージェント、カーターが潜入捜査する事になったとき、パートナーに抜擢されたのはかつてのテロ組織リーダー、ウィリアム。 自分が抜けた後の組織が冷酷なテロ組織になってしまった事を悔やみ、協力するというのだ。 当然、以降は所謂バディ・ムービーがのメソッドに従って物語は進むかに見える。

だが同時に、リアルな状況設定もここで狂って来る。 そもそも、導入部のエピソードで民兵組織に顔を知られている可能性が高いカーターが潜入捜査員として抜擢されている時点で非常識なのだが、演じているのが日系のディーン・ケインで容姿にも東洋人の印象があるだけに、アーミッシュみたいな白人集団に潜入する状況がさらに非常識に感じられる。 当然物語上も早々に面が割れて潜入捜査は失敗に終わるが、そこでバディ・ムービーとしても綻びが生じ、狂った状況設定通りの常識的な結末へと転がり込んで行く。 そう、元リーダーが昔の組織を裏切る筈もなく、潜入捜査官とバディになる訳でもない。

以降は、この綻びが常識的に収束していくことになるのだが、実はその収束こそがまさにこの物語の真骨頂であり、また俄然リアルなものになっているのが素晴らしい。 バディものでもなければ単なるどんでん返しアクションでもなく、結局組織は組織防衛のために動き、個人は個人の利害の為に動く。 テロ組織がテロを起こす理由も、所謂死ね死ね団描写は皆無のまま、単に集団の論理だけで動く存在として最後まで描かれる。 ある意味典型的な『グダグダな収束』なのだけど、現実に起きたらこんなもんだろうという点で身も蓋もないリアリティがそこにある。 言うまでも無く勧善懲悪ものやサスペンスものとしての爽快感は微塵も無いが、テロ組織側の心情を描きつつ同情的視点で近づくこともせず、淡々とした描写に徹するところが心地よい。

一応、アクション俳優ディーン・ケイン主演のヒーローものらしい終幕にはなっているのだが、それはファン・サービスのおまけカットみたいなもんだろう。

Twitter Comments

Face Book Comments

Notes